シラミ:体がかゆくなる、子どもの被害も注意

シラミの中でもアタマジラミは、子供が幼稚園や保育園に通っている際にたまに感染することがあります。

また、子供はシャンプーをするのが苦手なので、親が手伝ってあげようとするとどうしても嫌がります。そんなことからアタマジラミの経験談を持っているという親御さんもいらっしゃるかもしれませんね。

ここでは、そんなシラミの被害やシラミの生態などについてご紹介いたします。

シラミの種類と生態

シラミの種類

人に寄生するシラミはペットや動物には決して寄生しないといいます。この人に寄生するシラミは、アタマジラミ・ケジラミ・コロモジラミのわずか3種類だけだといわれています。

しかもその名称からも理解できるように、アタマジラミであれば人の頭に寄生をして頭皮から血を吸うことで栄養を得ています。

一方、ケジラミは陰毛に寄生するシラミで、性交渉などで感染することが多いといわれています。そしてコロモジラミは、衣服に寄生しながら血を吸うシラミで衣服が接触することで感染するといわれています。

いずれのシラミも不潔にしていることが原因というよりも、シラミに寄生されている人に接触することで感染してしまうというケースがほとんどです。

シラミの生態

人に寄生するヒトジラミの場合、人から人へと寄生しながら大昔から絶滅もせずに生きながらえているということなので、その生命力たるや相当なものであると推測することができます。

いずれのシラミも相当強い寄生能力があるといわれています。

例えばアタマジラミの場合には、通常のシャンプーで洗ったくらいでは全く落ちません。成虫であれば髪の毛が水に濡れると、髪の毛や頭皮にしっかりと爪をたててしがみつくという習性があります。

またにおいても、髪の毛にしっかりと固着しているので通常のシャンプーでは全く落ちません。

シラミがもたらす被害

吸血による激しい痒み

シラミの直接的な被害としては、シラミに血を吸われることで激しい痒みが生じるという点が大きな特徴として挙げられます。また、痒いからといって爪をたてながらその部分を何度も引っかいたりしていると、皮膚の炎症という二次災害に発展してしまいます。

こうしたシラミの中でもアタマジラミは、保育園や幼稚園などでは幼児がたまに感染することがあります。

コロモシラミによる発疹チフス

かってナポレオンが40万という軍隊を引き連れてロシア遠征をした際に、コロモシラミが原因で数千万にも及ぶ軍隊が発疹チフスに悩まされたという話があります。あるいはナチスの時代においても、ユダヤ人の強制収容所内でこの発疹チフスが流行したといわれています。

コロモシラミは、こうした発疹チフスの病原菌を媒介する害虫なのですが、アフリカや南米の寒冷地では現在も発生しています。こうした発疹チフスも若い方にとっては死亡にまでは至りませんが、60歳以上の高齢者の場合には、抵抗力が弱いことから致死率が100%といわれています。

シラミの感染予防・駆除方法

シラミの感染予防

シラミの感染予防には、それぞれのシラミの生態を十分に知ることが大切です。例えばアタマジラミの場合には、毛と毛が接触することで感染しやすいといいます。例えば幼児が、保育園や幼稚園で頭と頭をくっ付けあって昼寝などをするとどうしても感染しやすくなってしまいます。

あるいはケジラミであれば、性交渉の際やベッドで裸でいると感染する可能性が高くなります。

一方、コロモジラミの場合には、衣服の接触による感染なのですが、近年の日本では感染者がほとんどいないといわれています。感染者のほとんどが海外です。

シラミの駆除方法

比較的感染者が多いとされるアタマジラミの場合には、普通のブラシで髪の毛の通りをよくしておきます。その後、アタマジラミの卵を落とす専用のクシで卵を落とします。その際に、ヘアオイルやベビーオイルを使うというのもよい案です。

さらに、シラミ専用の駆除シャンプーも市販されているので、それでシラミを駆除するという方法もお勧めです。また、枕カバーやシーツも55度以上のお湯に5分間程浸けてから洗濯をすると、シラミの殺菌駆除が可能となります。

 

シラミによる被害とはいっても激しい痒み程度なので、その他の害虫に比べると例え感染しても慌てる心配も要りません。今回ご紹介したようなシラミの感染予防や駆除方法を今後の参考になさってみて下さい

とりわけ、昼寝の際に頭と頭が接触したり床をゴロゴロと転げまわるような幼児の遊びには注意が必要です。

シラミと同じくらい嫌な害虫といえばダニですね。

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