モグラ:庭土のなかで暮らし、家や畑を荒らす

モグラは、猿のように畑の野菜や果物を食い荒らすという心配は要りませんが、畑に植えてある野菜や果物の根が傷んでしまうという被害が数多くあります。

見た目は愛嬌のあるユニークな生き物なのですが、農家の方にとっては害虫というか害獣の代表のようなものです。

ここでは、そんな庭や畑を荒らす回るモグラの生態や退治方法について詳しくご紹介いたします。

モグラの生態

視覚よりも嗅覚と聴覚が発達

モグラといえば、地上よりも土の中での生活がほとんどなので、モグラの体自体も土の中で生活するのに適した構造になっています。

例えば、見た目は目がないような状態で盲人のようなものです。その代り目が見えない分、嗅覚や聴覚が目と同様の働きをしていて通常の生き物よりも嗅覚と聴覚だけが極度に発達しています。

とりわけ目が見える生き物の場合、視覚で相手との距離感を把握することができますが、モグラの場合には土の中は真っ暗なので例え目が見えても何の役にも立ちません。
そのため視覚に変わる嗅覚や聴覚で、獲物や障害物に対する距離感などを捉えることができるようになっています。

前足で穴を掘りながら前進する

モグラの前足は、横に向いているだけでなく大きくて平たい状態になっています。
前足で穴を掘ったり土をかき分けて、土の中をどんどん前に進んでいくことができます。
ただし前足が横を向いた状態なので、地上に出るとうまく前に進めないというデメリットもあります。

モグラがもたらす被害

庭やゴルフ場・運動場が凸凹になる

モグラは、土の中を前足でかき分けて前に進みながらミミズなどを捕食します。

モグラが通った後はモグラ塚と呼ばれており、まさに土の中がトンネルだらけの状態となってしまいます。
そんなモグラが、家の庭やゴルフ場・運動場などに侵入して土の中の浅い部分にトンネルを掘ってしまった場合には、それこそ地上から見ても凸凹状態がよく確認できます。

とくに庭に芝生が生えていれば、凸凹を通り過ぎて陥没状態のところさえできてしまいます。もちろんそうなると、見た目もみっともない状態といえます。また、ゴルフ場や運動場なども土の表面が凸凹していれば、本来の機能を果たせなくなってしまいます。

農家への被害

モグラは、畑に植えてある野菜などを直接食べることはありません。その代り、土の中にトンネルを掘ってミミズなどの獲物を捕食する生き物なので、結果的には野菜の根などを傷付けてしまうという被害が発生します。

あるいは畑の土の中がトンネルだらけになるので、畑自体の保水力が失われるという被害にも繋がります。

また田んぼなどにモグラが侵入した場合には、モグラが作ったトンネルによって田んぼの水が漏れだすという被害もよくあります。とくに、田植えの時期というのは水が必要不可欠なので、水路にトンネルを掘られると致命的な被害を蒙ることにもなります。

モグラの駆除・予防対策

モグラ用の捕獲器を使う

モグラは、一度作った通り道を何度も通りながら獲物を捕獲するという習性があります。
そのため、モグラが作ったトンネルにモグラ用の捕獲器を設置しておくという駆除方法がよく用いられます。
モグラ用の捕獲器を設置した場所を水で土を湿らせておくと、ミミズなどの獲物が集まりやすくなります。

こうしたモグラ用の捕獲器には、様々な種類のものがあります。例えば、モグラを掴むようなタイプやトンネル状になった捕獲器などがあります。
ちなみにトンネル状になった捕獲器の場合、中が一方通行になっているので一度入れば抜け出れなくなるという仕組みになっています。

モグラの予防対策

モグラを庭や畑に入らせない予防対策には、大きく分けると音波による方法と臭いによる方法とがあります。とりわけモグラは、聴覚や嗅覚が発達しているのでモグラが嫌がるような音や臭いはとても有効な予防対策となります。

おまけに音波や振動でモグラを退避させる商品には、ソーラー電池を利用したものが多いので、いちいち家庭用コンセントからコードを引っ張ってくるといった面倒も要りません。

さらには音波の有効範囲が10m前後の商品もあるので、モグラの退避効果も広範囲に及びます。それからモグラ用の退避剤の場合には、モグラだけでなくヘビやネズミ避けにも効果のある成分が含まれている商品が多くあります。

※ネズミ退治について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

ネズミ:家に住みつき、糞や食物の被害が出る

最近、我が家の庭が凸凹しているが、その原因がモグラであるということ自体分からなかった…という方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回ご紹介した内容を参考にしながら、モグラ退治に挑戦してみてはいかがでしょうか。

畑を荒らす動物といえば、イノシシもいますね。

イノシシ:畑を荒らし、人への被害も