シロアリ:家を壊し、なんでも食べる?

シロアリという言葉自体は耳にしたことがあるけれども、実際にシロアリを見たという人は少ないに違いありません。何故ならシロアリは日光や乾燥を嫌がるので、建物の表面にはほとんど出てこないのです。そのかわり、日光が入らない蟻道というトンネルを作って建物をどんどん浸食してしまうのです。

ここではそんな恐ろしいシロアリの生態や対策方法についてご紹介いたします。

シロアリの生態

家を壊すシロアリはわずか3種類

世界中に生息しているシロアリといえば2000種類以上にもなりますが、日本に生息しているシロアリはその内のわずか13種類程です。さらに家を壊すシロアリともなると、ヤマトシロアリとイエシロアリ・アメリカカンザイシロアリの3種類に限定されます。

中でもイエシロアリは、人間にとっては強敵です。例えば、木造建ての建物だけでなくコンクリート造りの建物でさえも被害をもたらしてしまうのです。おまけに、水を運ぶという能力も持ち合わせており、コンクリートの基礎に蟻道を作りながら建物の上部にある柱さえも容易に食い尽くすといわれています。

シロアリの社会は階級社会

シロアリは、女王に相当するシロアリや王に相当するシロアリ、さらには兵隊の役割をするシロアリやエサを巣に運び込んで多くのシロアリを養うシロアリなど、様々な役割分担が決まっています。ちょうど江戸時代にあったような士農工商などの階級社会になっています。

ちなみにシロアリの巣はコロニーと呼ばれており、数千から数万頭にも及ぶシロアリが巣を形成しています。とくにイエシロアリの場合には、コロニーが土の中というケースが多く、シロアリの行動範囲も100mにも及ぶことがあるのでコロニーの駆除は容易ではありません。

シロアリがもたらす被害

建物の土台や柱から食い尽くす

シロアリは、日光や乾燥に弱いという習性があるので蟻道というトンネルを作りながら、徐々に上部へと浸食していきます。おまけに、蟻道は基礎コンクリートにさえ作ることができるので、コンクリートに作った蟻道から建物の土台や柱の部分を次々に食い尽くしてしまいます。

そのため地震や台風の際に、建物が一気に崩壊してしまうというケースもあります。また、建物の土台となる部分だけでなく壁や柱を浸食しながら遂には、天井裏にある小屋組まで食い尽くすことさえあります。

とくに近年流行しているモルタルやコンクリートブロック壁は、その内部が温暖多湿なのでシロアリに浸食されやすい傾向にあります。

鉄筋コンクリートや合成樹脂の建物でさえ食い尽くす

シロアリは、例え鉄筋コンクリート製の建物やコンクリートブロック製の建物であっても一度侵入してしまうと、その内部にある木材や家具を次々に食い尽くしてしまいます。

また、プラスチック樹脂や合成ゴムの新建材を用いた建物の場合、断熱材には発泡スチロールや発泡ポリウレタンなどが使われているので、木材以上に好むという習性もあります。さらには、建物などに配線してある電線ケーブルでさえも浸食してしまうという報告もあります。

シロアリの予防・駆除方法

シロアリの予防方法

シロアリに浸食されないようにするためには、シロアリが好むような環境をできるだけ作らないようにすることが大切です。例えばコンクリート基礎を高くすることで、床下に湿気が溜まらないように風通しをよくするということも大切です。あるいは、雨水が建物内に侵入しないようにするということも大切です。

さらにコンクリート基礎の周囲には、木材の切れ端などを放置しないようにするということもシロアリ予防に繋がります。そして、シロアリを予防するための薬剤も販売されています。従って、定期的に建物の土台となる部分には、こうした予防用の薬剤を塗布するというのもお勧めです。

シロアリの駆除方法

ヤマトシロアリであればゴールデンウィークの前後、イエシロアリは6〜7月頃に羽アリが一斉に飛び出します。とくに、玄関や風呂場などの小さな穴から飛び出すことが多いので、飛び出す場面を見かけた際には掃除機で吸い取ってしまうという方法もお勧めです。

またシロアリの駆除方法には、殺虫剤による駆除が最適です。ちなみにシロアリは、殺虫剤を吹きかけると簡単に死んでしまいます。その代り、建物の見えない部分に集団で生息していることが多いので、生息場所を見つけるためには専門的な知識も必要です。

 

シロアリの生態や予防方法などについてご紹介いたしました。どなたでも自分の家を壊すシロアリは脅威に違いありません。

ぜひともこの機会に、シロアリの予防や駆除について真剣に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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