イノシシ:畑を荒らし、人への被害も

イノシシの被害といっても、住宅が密集した地域に住んでいる人にとっては無縁の存在です。

ところが山林に近い地域に住んでいる人にとっては、イノシシに農作物を食い荒らされるという被害は日常茶飯事のことといえます。

また、山菜取りをよくされる方もイノシシに襲われる可能性が高いので他人事ではありません。

ここでは、そんなイノシシの生態や駆除方法などについてご紹介いたします。

イノシシの生態

ニホンイノシシとリュウキュウイノシシの2種類

イノシシは、ユーラシア大陸に多く生息する生き物で、日本のイノシシはニホンイノシシとリュウキュウイノシシの2種類になります。

ちなみにニオンイノシシは日本全域に生息しており、リュウキュウイノシシは沖縄などの暖かい地域に生息しています。イノシシは繁殖力も高く、1回の出産で4匹〜5匹生みます。

通常の場合には山の中に生息しながら、樹木や植物の葉や実を食べたり昆虫やカエル・ヘビなどが主食です。

ただし、山に近い平野部にも時々出没をして畑の野菜や果物を食い荒らすこともあります。基本的には、人間が食べるようなものならば何でも食べるという雑食性の生き物です。

イノシシの生態が由来の「猪突猛進」という言葉

日本語というのは実にユニークなところがあります。例えば、まっすぐ敵に向かって突進するというイノシシの生態が由来となった猪突猛進という言葉があります。
イノシシ自体は猪突猛進という言葉とは裏腹に知能もあり、運動神経も抜群の生き物であるといわれています。

とくに嗅覚は、犬と同様のレベルなので人間の比ではありません。また跳躍力も優れており、1m以上の柵でさえも簡単に飛び越えてしまいます。

そして何よりもイノシシの体毛は、ヘアブラシにも使われるくらい剛毛なので体を保護する鎧のような役目をしています。

イノシシがもたらす被害

山でイノシシに遭遇すると襲われる

イノシシは、クマ程獰猛な生き物ではありませんが、山菜取りなどで山に入った際にバッタリ至近距離でイノシシに出くわすということもあります。

基本的には臆病な性格なので、人を警戒したり人を避けて行動する生き物です。
その代り、突然イノシシに出くわしてしまうと、やはり保身本能が働いて逆に襲われるという可能性も高くなります。

また、山菜取りで山に入った際に、ウリボウがいたので可愛いからといって近寄ったところ母親のイノシシに襲われたというケースもあります。母親のイノシシは、子供を連れて歩く習性があるのでウリボウには要注意です。

農作物を食い荒らす

イノシシが農作物を食い荒らす例では、水田に植えてある稲が食い荒らされたり稲がイノシシに踏み倒されるという被害が数多くあります。あるいは、タケノコやイモ・豆類なども度々食い荒らされるという被害例もよくあります。

ちなみに、イノシシの食べ物にも好き嫌いがあります。例えば、畑に植えてあるゴボウやニンニク・ネギなどは食べませんが、ジャガイモやトウモロコシ・かぼちゃ・サツマイモ・スイカなどはイノシシの大好物とされる野菜になります。

イノシシの駆除・予防対策

イノシシの駆除

イノシシなどの野生鳥獣類は、鳥獣保護及び狩猟に関する法律で保護されており捕獲が禁止されています。
ただし、山林に近い農家ではイノシシに農作物を食い荒らされるという被害が多発しています。そんな場合には、有害鳥獣として捕獲することが認められています。

その代り、イノシシを捕獲するためのワナや銃を使用するためにや特別な資格や申請が必要になります。そうしたことから、最寄りの猟友会の方などに相談しながらイノシシの駆除をするのがベストです。

イノシシの予防対策

イノシシは臆病な性格なので、背の高い植物や雑草に身を隠しながら畑などに侵入する場合がよくあります。そのためイノシシが出没するような地域では、雑草などを取り除いて見渡し良くしておくというのもイノシシの予防対策には大変有効です。

イノシシの予防対策として一般的によく利用されるのは、柵の中でも電気柵が最も有効とされています。ちなみに柵に有刺鉄線を張るという方もいらっしゃいますが、イノシシの体毛は硬いので有刺鉄線はあまり効果がありません。

その他、イノシシが嫌がる臭いを発する退避剤もよく利用されます。ただし、イノシシは同じ臭いを発する退避剤にはすぐに慣れてしまうので、何種類かの退避剤を利用することをお勧めします。

 

イノシシの生態や駆除方法についてご紹介いたしました。山菜取りなどをされる方は、いつ何時イノシシに出くわすかもわからないのでぜひとも参考になさってみて下さい。

イノシシと同じく畑や家に被害をもたらす動物は他にもいます。

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